まねき猫の大福帳 344
ヤブツバキ (藪椿)
「寒さに耐える、生命力の強い神聖な木」
ヤブツバキ(薮椿)はその名の通り、野生のツバキ。単にツバキと呼ばれることもあります。ツバキという場合は園芸品種を含みますが、原種であることを強調する際、藪に生えるツバキとしてヤブツバキ。青森県から沖縄県まで広い範囲で見られる日本固有種です。開花期は10〜4月で、花の色は赤や白。果実からはツバキ油が採れ、大島を代表とした伊豆七島はヤブツバキの名所として知られています。
枝先の葉の脇に直径5~7センチの花を一輪ずつ咲かせます。5枚ある花弁は、やや筒状に開くのが特徴。山茶花(サザンカ)のように全開しない控えめな様子が好まれ、茶花に使われます。咲き終わった花が丸ごと落下するのもサザンカとの違い。古(いにしえ)の武士たちは、これが「打ち首」を連想させ忌み嫌ったという俗説があります。
ツバキの語源については、光沢を表す古語の「ツバ」を冠した「ツバの木」からツバキとなったとするなど諸説あります。暖地の生まれでありながら寒冷地にも耐える生命力の強い神聖な木。また、冬の寒さにも負けずに花を付けることから縁起の良い木とされています。
花言葉は「気取らない優美さ」「控えめな美点」「控えめな優しさ」などです。これらはツバキと共通で、花は華やかな姿をしているにもかかわらず、香りがないことが由来。立冬の晴れ間、路地奥で見事に咲くヤブツバキから多くのことを学びました。
まねき猫の大福帳
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まねき猫は私が目指しているもの。大福帳とは江戸時代に日本全国に普及した商業帳簿のことです。現在、店舗や企業、心やさしき人に向けてSNS投稿を7コンテンツ行っています。この情報に親しみや関心を持ち楽しく伝えたい。そこでアヤックス小比企町店に実在する8匹(ペア1組)のまねき猫に名前とストーリーを与えて共に街歩きし情報を発見、収集し投稿していきます。
担当猫 いく
唯一手を挙げていない猫の置物。ある芸術家が作ってくれた大切な贈り物。花を通じて健全な人間を育てて「いく」から命名。手を上げられない人の声も大事にしていこうという意味も持ちます。
撮影日 2024.11.13
場所 東京都八王子市緑町
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